可能性をつないでいく。ー株式会社morich 代表取締役 森本千賀子ー
池上 妃奈

会社立ち上げまでの道のり


ーコンサルティング業務やアドバイザーといった人材に関する業務にずっと携わっていらっしゃったと伺っています。独立されてから業務の内容に変化はありましたか?
スタートアップ企業の経営支援に、より注力するようになったことです。日本スタートアップ支援協会という組織の顧問もしており、リクルート時代から接点のあったスタートアップ企業を応援することを、私のミッションの一つであると位置付けて、スタートアップ企業に携わるウェイトが大きくなったことがこれまでの5年間で大きく変わったことだと思います。

ーSDGsに関わる業務というのは、独立される前から行われていたのですか?
そうですね。2009年に次男を出産し、そのときから副業を始め、2011年には東日本大震災があって、そうした出来事が自分を見つめるきっかけになり、また働き方を考える契機になりました。
自分の人生を振り返ると、周りの人の支援のおかげで今の自分がある、ということを痛感しました。SDGsを意識したというわけではなく、そういった気づきから、社会へ還元できることに取り組んでいきたいと考えるようになりました。その中でも、女性活躍や教育の機会、地方活性化といったトピックが、自分が貢献できる分野であると考えました。



力を入れている3つの分野

ー女性活躍や教育、地方活性化といったトピックの中でも、森本さんが最も力を注がれている分野は何ですか?
教育の分野です。私自身二人の子供がいるのですが、親として子供たちに関わることができる機会というのは限られています。ですので、教育の現場に関わる組織の活動が、自分の子供たちにも通じることであるので、一番注力している分野です。

ー女性活躍に関する活動はどんなことをされていますか?
今まで生きてきた中で、自分自身に役立った知恵やノウハウを、メディアを通して多くの方に届けたいという思いがあって、それらをまとめた本を執筆したり、オンラインメディアに連載したりという形で発信してきました。あとは、女性活躍をミッションとしている企業のなかで講演を行うなど、世の中にダイレクトにメッセージを発信する活動も行っています。また、Femtech(フェムテック)事業を推進している企業や、女性のキャリア支援をする企業の顧問なども行っています。

*Femtech(フェムテック):Female(女性)とTechnology(テクノロジー)を掛け合わせた造語で、女性特有の健康問題をテクノロジーを用いてアプローチした商品のことを指す。

ー地方活性化のことで行われていることについてもお聞かせいただきたいです。
ずっと転職エージェントとしてキャリア支援をしてきたので、その軸で地方の企業様と関わっています。地方だと人材不足が深刻化していたり、人材とのご縁が難しいという状況が多々あります。そういった地方の企業と都心部にいる人材を結びつける仕事をしています。ふるさと副業といって、都心部にいる人が、リモートワーク等を通して地方で働く、といったワーケ―ションt来な働き方がありますが、地方の企業と都心部の働き手のマッチングのお手伝いもしています。

ーこの三つの分野に関わるお仕事は同時に始められたのですか?
いいえ、どれも偶発的な出会いがきっかけで、目の前にある機会を大切に、できることを一生懸命やっていたなかで、気がついたらここまで広がっていた、という感じです。



道を開くには

ー最初の機会は何だったのでしょうか?
ソーシャルインベストメントパートナーズ(SIP)という、ソーシャルビジネスへの支援事業を行うNPOに関わらせていただいたが最初のきっかけです。SIPに関わったことで、幅広くSDGsに関わる企業との接点ができ、私自身SDGsへの関心を持つようになりました。

ー関心を持ったことが大きな転換だったのでしょうか。
そうですね。人間って意識しないと何も目に留まらないんですよ。新聞やニュースを見ていても、自分の関心があるものはパッと目につきます。例えば、道を歩いていて、ケーキの看板があったとしても、ケーキが好きじゃないとケーキの看板が目に留まったりはしませんよね。ですので意識を持つ、ということが重要な最初の一歩だと考えています。
そして、目に止まったトピックに関して調べてみる、考察してみるというインプット、調べて分かったこと、気がついたことを発信していくというアウトプットの繰り返し、そのループが広がっていく、きっかけはそうやって広がっていくものだと考えています。

ー意識すること、インプット・アウトプットの繰り返しといったことが森本さんが大切にされていること、ということでしょうか。
そうですね。あとは、新しい出会いや機会が来たときに基本的には断らずにとりあえずやってみる。やったことがないからできないではなく、どうやったらできるかを考えるようにしています。失敗を怖がっていたら一生できないままで終わってしまいます。失敗自体も経験ですから、とにかくやってみようという思考を持つことが大事だと感じています。



ーこれまでの活動で、失敗の経験があればお聞かせください。
失敗という言葉があまり好きではなくて、2回目3回目とやればいいだけだと考えています。ソーシャルビジネスといった収益化が難しい問題に取り組んでいるのだから上手くいかないことも当然あって上手くいかなかったとしても、粘り強く取り組んでいくということが大切だと思います。

ー成功するまでの過程で一番大切だと思うことは何ですか?
自己満足してしまうということはソーシャル事業の現場でよくあることなんですが、なんのためにそれをやっているのか、意義を忘れずに、目的達成に向けて行動し続けることが大切だと考えています。

これからの挑戦

ー森本さんが今挑戦したいことは何ですか?
長くキャリアに関わる場所にいたので、キャリアと教育分野の内容を掛け合わせたキャリア教育に力を入れていきたいと考えています。現状として、大学3、4年生になって初めて働くこと、自身のキャリアについて考え始めて、よくわからなくて戸惑う学生の方は多いと思います。世の中に数多ある仕事について、教えてくれる場があり、中学生、高校生といった、大学や職場を選択する前の段階から自分の人生について考える機会があればいいなと思っています。

最後に

ー最後に読者の皆さんに一言メッセージをお願いします!
みなさんがもつ可能性は無限です。例えば、先ほど申し上げた女性活躍の場であったり、子供たちや地方であったりといった可能性を秘めているものです。仲間となっていただける方がいらっしゃれば、ぜひ一緒にチャレンジしていきたいなと思います。
日本という国は、豊かな自然、美しい四季の移り変わりや他人を思いやることができる国民性です。素晴らしいところがたくさんある国だと思います。その素晴らしさをもって、日本の国をもっと元気にしていきたいです。

会社名

株式会社morich / morich inc.
株式会社morich-To

所在地

東京都中央区日本橋兜町207 パークアクシス日本橋兜町204号室

設立

2017年3月3日

代表者

代表取締役All Rounder Agent 森本千賀子

WEBサイト

https://morich.jp

記事一覧に戻る
MadeInLocalのロゴ

    お問い合わせ

    掲載依頼・取材依頼・Made In Localシリーズおよび地域を代表する企業100選についてのお問い合わせ等、承っております。まずはお気軽にご相談ください。

    お問い合わせはこちら

    会社概要

    Made In Localは、株式会社IOBIが運営する地方創生メディアです。弊社では現在、事業拡大につき、新卒・中途ともに積極的に採用活動を行っております。 ご興味のある方はぜひご一読ください。

    会社概要はこちら
    SDGsのロゴ
  • 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 人や国の不平等をなくそう
  • 住み続けられるまちづくりを

Made In Localは地方創生メディアの運営を通して地域の産業振興や地域間格差の是正に取り組んでおり、「産業と技術革新の基盤をつくろう」・「人や国の不平等をなくそう」・「住み続けられるまちづくりを」の3つのSDGsのターゲットの実現を目指しています。

©︎ 2024 株式会社IOBI all right reserved