こんにちは!暑い日も寒い日も、うどんを食べれば元気になる、学生ライターの友近史歩(ともちか・しほ)です。

今回ご紹介するのは、三重県を代表する郷土料理で、「コシがない」ことで知られている “伊勢うどん”です。

「麺にコシがなくても、本当においしいの?」と驚かれる方も多いのではないでしょうか。

讃岐うどんで有名な香川県に住んでいた私としては、まさに三重県からの挑戦状のように感じました🔥

本記事では、伊勢うどんの誕生の背景・特徴・元祖の味を楽しめる名店をお届けします!

「うどんのコシ」って、そもそも何?


「コシがあるうどん」と聞くと、“麺が硬いうどん”を思い浮かべる方も多いと思いますが、実は、コシとは単純な硬さではありません

“コシ”とは、麺にもちもちとした食感と、噛み返してくるような弾力があり、ほどよい歯ごたえを感じられる状態を指します。つまり、硬ければコシがあるというわけではないのです。

"コシがおいしさの基準"と思われがちなうどんの世界で、常識を覆す存在が伊勢うどんです。

伊勢うどんとは?


伊勢うどんは、三重県伊勢市を中心に古くから親しまれてきた郷土料理です。

一般的なうどんの約2倍もの太さがある極太麺に、たまり醤油をベースにした濃い色のたれを絡めて食べます。

黒く艶のある見た目から「塩辛そう」という印象を受けますが、実際はまろやかな甘みとうま味が感じられるやさしい味わいで、見た目とのギャップに驚く人も少なくありません。

薬味はネギだけというシンプルな1杯だからこそ、麺とたれのおいしさを存分に味わえます。

派手な見た目ではありませんが、素材そのものを楽しめる、飾らないおいしさが詰まっています。

コシがないのには理由があった


伊勢うどんのルーツは、江戸時代以前に農民が地味噌からできる上澄み “たまり” をうどんにかけて食べていたことにあるといわれています。

農作業の合間でも手軽に食べられるよう、太い麺にネギだけというシンプルな形になったそうです。今でいう「タイパ重視」の食事だったのかもしれません。

その後、お伊勢参りで全国から訪れる参拝客にも提供されるようになります。

江戸時代には毎年約500万人がお伊勢参りをしていたとされ、当時の日本の人口が約3,000万人だったことを考えると、6人に1人が伊勢を訪れていた計算になります。

多くの参拝客に温かいうどんを素早く提供するため、麺は釜でゆで続けられていました。長時間ゆでても食感が損なわれにくいよう、あえてコシのない麺になったと考えられています。

また、長旅で疲れた人が食べやすいよう、消化のよい麺にしたという言い伝えも残っています。

どちらが本当の伊勢うどんの始まりなのかは、当時の詳しい記録が残っていないため分かっていません。しかし、訪れる人への思いやりが、伊勢うどんを生んだことは間違いありません。

伊勢うどんならではの3つの魅力

① 日本一コシがない!? 極太でもちもちの麺


伊勢うどん最大の特徴は、一般的なうどんの2〜3倍もある極太麺です。

じっくりゆで上げることで、もちもちとした食感と、ふんわりとした口当たりが生まれます。

噛み応えではなく、やさしく歯切れのよい食感が楽しめるため、1口食べると「これもアリだ」と感じられるはずです。コシが強いほうがおいしいという固定観念を覆してくれます。

② 見た目と味のギャップが楽しい濃厚な醤油だれ


麺にかかっているのは、めんつゆではなく、たまり醤油を使った少量のたれです。

真っ黒な見た目に思わず身構えてしまいますが、実際は甘みとうま味があり、塩辛さは控えめです。ほどよいとろみが極太麺によく絡み、豊かな風味が口の中に広がります。

③ トッピング次第で楽しみ方は無限大


昔ながらの伊勢うどんは、ネギだけをのせるシンプルなスタイルが定番です。しかし、それだけでは終わらない奥深さも、“伊勢うどん”ならではの面白さです。

卵や天かすを加えればまろやかさや香ばしさが増し、めかぶや天ぷらを合わせれば食感にも変化が生まれます。さらに、一味唐辛子を少しかけるだけで、甘みのある醤油だれが引き締まり、また違った味わいを楽しめます。

定番のネギだけで味わった後は、ぜひいろいろな組み合わせにも挑戦してみてください

元祖の味を楽しむならここ


伊勢うどんの元祖として知られているのが「伊勢うどん ちとせ」です。

お伊勢参りで訪れる人々にうどんを振る舞ったことが始まりとされ、現在も昔ながらの伊勢うどんを味わえます。

店主しか作れない秘伝のたれを絡めて味わう、「肉月見伊勢うどん」は店の一番人気です。

伊勢神宮を訪れる際は、お参りとあわせて、長年受け継がれてきた “本場の伊勢うどん”をぜひ味わってみてください。

📌伊勢うどん ちとせ
📍住所:〒516-0037 三重県伊勢市岩渕1-15-1
・🚶アクセス:近鉄宇治山田駅から徒歩3分
・🚙駐車場なし
・📅営業時間:10:00~18:30、火曜日と水曜日が休業日
・📞電話番号:059-628-3879
・🔗関連サイト:ちとせ

おわりに


いかがでしたか。

「うどんはコシが命」と思っていた私にとって、伊勢うどんはまさに三重県からの挑戦状のように思えました。

しかし、実際に伊勢うどんが生まれた背景を知ると、麺にコシがないことには理由があり、忙しい農民やお伊勢参りで長旅をしてきた参拝客をいたわる優しさが詰まっています。

コシがないことは欠点ではなく、伊勢うどんならではのおいしさであると知り、香川県で親しまれる讃岐うどんとは違う魅力を持つ1杯だからこそ、食べ比べてみると新しい発見があるかもしれません。

三重県を訪れた際は、ぜひ「コシがないうどん」のおいしさを体験してみてはいかがでしょうか。

参考


テーブルマーク株式会社|うどんのおいしさ~コシの科学~
キンレイ|「コシ=硬さ」じゃない!おいしさに欠かせないコシって?
かいだ製麺所|伊勢うどんについて
note|面白い「伊勢うどん」ヒストリー
TAKAHASHIARCHITECT|伊勢名物「伊勢うどん」の魅力とは?歴史とともに解説!
農林水産省|伊勢うどん 三重県
全国学校栄養士協議会|三重県|伊勢うどん

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