皆さんこんにちは!ライターのアイです!

突然ですが皆さんは、「清流の女王」と呼ばれる魚をご存じですか?

それは、岐阜県の清流長良川の「鮎(アユ)」のことなんです!
長年地元の人に愛されてきた長良川の鮎は、なんと2015年には世界農業遺産に登録されました!

今回はそんな「清流の女王」を生んだ長良川の魅力と世界農業遺産への挑戦について詳しく見ていきましょう🔍

岐阜県で愛される「清流の女王」とは


まずは、「清流の女王」とその他の川の鮎の違いについてお話していきます!

🔍上質な「コケ」を食べて育つ


実は、「清流の女王」は他の川の鮎と比べて、栄養価の高いコケを食べていると言われているんです!

コケの栄養価の高さは生息場所の石にどれだけ太陽光を受けられるかで決まります。しかし、ほとんどの川はダムの影響で泥や落ち葉が石の上に溜まり、コケの成長を妨害してしまうそうです。長良川にはこのような問題を引き起こすダムが設置されていないため、鮎の食料となるコケが健康に育ちます。

上質なコケを食べ、他の川の鮎よりも栄養価が高いという理由から「女王」と名付けられたのかもしれませんね!

🔍鮎が川の汚れを取っている


先ほど紹介したコケは水中の二酸化炭素や窒素などを吸収し、水質を向上させる役割を担っています。そして、そのコケを鮎が食べることでまた新しいコケが成長し、成長したコケが水中の汚れを取るという循環があります。

つまり、鮎がコケを食べることで腐敗していくコケを減らし、水質の悪化を防いでいるんです。

川の水質を守っている点から考えても「清流の女王」と呼ばれるにふさわしいですね。

「清流の女王」が住む長良川ってどんな川?


「清流の女王」は高知県の四万十川、静岡県の柿田川とならぶ「日本三大清流」の1つである長良川に住んでいます。

次は「日本が誇る鮎」を誕生させた「長良川」の特徴を皆さんにお伝えします!

長良川は岐阜県北部の大日ヶ岳から南に岐阜県内を縦断し、三重県の伊勢湾へと流れ込む一級河川です。

この長良川の流域には約86万人が暮らしています!一般的に人口が多い地域では環境廃棄物の排出量も増えるため、川の水は汚れているイメージを持ちませんか?

しかし、ここが長良川のすごいところ。水質調査を開始した1994年から、水質が向上しているんです!上流から下流まで166kmの長さにも関わらず、全ての地点が文句なしの水質です。

一体どのような努力をもって水質を維持しているのでしょうか?

🔍「川を守るために」受け継がれる地元の人たちの努力


長良川の水質保全を語るうえで欠かせないポイントは地元の人たちの清掃活動です。

河原にたまった砂や泥の清掃はもちろん、「川の水の源」と言われる「森」を育てる活動も注目されています。

長良川の水は、森に溜まった雨水が木の栄養分を吸収しながら徐々に川へと流れることで形成されています。健康な森は木の根元の栄養分が豊富なため、結果的に川を形成する水の栄養分も高くなり、川の水質が良くなるという仕組みです。

このため、長良川の流域に住む人たちは適度に木を伐採したり、植栽を行いながら森の健康を維持しているそうです。

「清流の女王」はこのような地元の人たちの努力から誕生したんですね。

地元の方々の努力に加えて、ダムによる水質悪化や生物の成長環境の変化といった影響を受けないのも大きなポイントです!

世界が認めた!~清流の女王と世界農業遺産~


「清流の女王」の誕生をお話ししたところで、続いては冒頭にも出てきた「世界農業遺産」について紹介します!

🔍世界農業遺産(GIAHS)ってなに?


世界農業遺産は簡単に説明すると、「日々社会や環境が変化していく中で、昔ながらの伝統や文化を守ることができた農林水産業に贈られる称号」です。

例えば、アフリカのマサイ族が行っている「マサイ牧畜」。この牧畜の特徴は、野生動物を殺さないことです。彼らは牛の乳・血・肉だけを食べて生活していて、鶏や豚などの生物を食べることは許されていません。

長い牧畜生活にも関わらず、環境保護を考慮した素晴らしい伝統ですね。

このような伝統が生命の秩序を守る点で評価され、2011年世界農業遺産に登録されたそうです。

🔍「清流の女王」が世界農業遺産に選ばれた理由は?


2015年の12月世界農業遺産に選ばれた「清流の女王」。一体どのような点が世界に認められたのでしょうか?

登録理由の1つとして挙げられるのは地元の人たちによる環境保護の取り組みです。先ほど「長良川を守る活動」で紹介したように、長良川の流域付近に住んでいる人々は長年、川を守る取り組みを続けてきました。

当然、水質の改善・維持は一朝一夕でできる事ではありません。川を守る伝統を代々受け継いできたからこそ、きれいな川を維持できるのです。

このような地元の人たちの「川を守る」変わらない思いが世界農業遺産の登録につながりました。

地元全体が川とそこに住む生物を愛しているからこそ成し遂げられた快挙だったんですね。

おわりに


いかがでしたか?今回は、岐阜県の世界農業遺産「清流長良川の鮎」についてお話ししました。長良川はそこに住む人たちの「伝統を守る思い」から作られていたんですね。

最後までお読みいただきありがとうございました!また次回お会いしましょう☆彡

参考


【日本三大清流】長良川が日本一だと主張する3つの根拠 › 陽のあたる部屋
202.pdf
世界農業遺産 (GIAHS) | FAO駐日連絡事務所
ダムはどんな影響を川に及ぼすのですか? | 映画『ダムネーション』 -DAMNATION /パタゴニア presents
世界農業遺産とは – 世界農業遺産 清流長良川の鮎

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