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日常生活で使用している製品を清掃や点検をせずに長い間使い続けたり、不具合や違和感を無視して使い続けたり、誤った使い方をすると火災などの思わぬ事故につながるおそれがあります。


経済産業省では、11月を「製品安全総点検月間」とし、安全点検の呼びかけを行っています。


製品安全総点検月間

https://www.meti.go.jp/product_safety/consumer/soutenken.html


製品の安全点検を啓蒙するだけでなく、経済産業省は2007年からPSアワードを創設し、製品安全に積極的に取り組んでいる企業を広く公募・厳正な審査の上で、「製品安全対策優良企業」として表彰しています。


近畿経済産業局では、過去の受賞企業の紹介記事を掲載しています。これにより、製品の安全性を紹介するだけでなく、取組実現までの背景やストーリーも紹介しています。


今回は、2017年度PSアワード初受賞(審議官賞)を皮切りに、2019年度経済産業大臣賞を受賞された株式会社大一電化社さんの記事をMade In Local内でもご紹介します。


近畿経済産業局note PSアワード受賞企業の記事はこちら

https://note.com/hashtag/PS%E3%82%A2%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%89%E5%8F%97%E8%B3%9E%E4%BC%81%E6%A5%AD



株式会社大一電化社について


家電販売店として創業した株式会社大一電化社は、2003年に輸入エスプレッソマシンの販売を本格的に開始しました。

現在は、業務用の高機能エスプレッソマシンや自家焙煎のコーヒー豆の販売事業を中心に、SNSでコーヒーレシピやマシンメンテナンス情報を積極的に発信し『カフェ業界における課題解決』『コーヒー文化の発展に貢献』する会社として大きな存在感を発揮しています。

2014年から「製品安全対策と業績向上の両立」に取組み、2017年度のPSアワード(審議官賞)初受賞を皮切りに、2019年度の経済産業大臣賞の受賞を経て、今回5度目の受賞となりました。


note「安全はお客様と会社を守る-株式会社大一電化社-(シリーズ:PSアワード受賞企業紹介#3)」

https://smepprd-kansai-meti-gov.note.jp/n/n3529456fd555


製品リコールという転機

『安全はお客様と会社を守る』を企業使命とし、その実現に向けた戦略・戦術のもと、着実に仕組みを構築し実績を重ねていた同社に、2022年、主力商品であるエスプレッソマシンの発火事故が発生しました。幸いエスプレッソマシンの損傷のみで事態は収まりましたが、「製品リコール」を実施するという大きな転機となりました。


事故の原因は、海外メーカーでの製品の製造過程において、同社に知らされないうちに難燃性が必要な部品がその性質を有さない部品に置き換えられていたことでした。これは一般に「サイレントチェンジ」と呼ばれ、製品安全上の大きなリスクとして知られているものです。


同社は事故把握後すぐにその重要性を認識し、早期解決と重大事故回避に向け迅速な対応を行いました。製品に責任を持つという姿勢から100%直販にこだわった販売形態であったため販売先リストが揃っていたこと、製品安全に向けた取組みの中で行政を含む外部機関との連携を密にしていたことが、迅速な解決の実現を後押ししました。


同社は、「安全はお客様と会社を守る」という理念の徹底が、社員の判断基準を明確化し、結果として着実な対応に結実したと本件リコールを総括し、さらにこの事案を契機に新たな製品安全への取組みの歩みを進めています。



さらなる製品安全への取組み


事故の要因となった「サイレントチェンジ」による製品不良への新たな対策として、同社は製品入荷時の分解検査と共に、製品の出荷段階の全数検査を実施し、徹底した製品検査体制を構築しました。


製品を構成する全パーツを製品安全の観点から重要度で分類し検査し、問題箇所は社内共有し、またメーカーへの改善提案も行うことで、厳しい安全品質を追求しています。


また同社では、顧客の製品購入検討時、使用・メンテナンス時、トラブル時など様々な場面で必要・参考となる情報を多くの動画コンテンツとして作成・配信しています。製品納入時に同封する使用ガイダンスに動画QRコードを付けることで、顧客が使用現場ですぐにチェックできるようにしています。


加えて、社内体制の整備のため2024年4月に社長直轄の「製品安全対策室」を設置しました。製品安全事項について、各部署間の情報共有と迅速な意思決定を両立した機能を備えることで、新製品レビューから事故情報まで一貫して対応する体制を構築しています。



社内外への影響とこれから

2014年から実施してきた同社の「製品安全と業績向上の両立への取組み」は、社内の知名度・信用性・ブランディングの向上をもたらすことで、社員のロイヤリティーを高め、そして優秀な人材の確保に繋がるという正のサイクルとなり、コロナ禍でも着実な業績伸長に繋がっていました。


2022年の「製品リコール」は、同社の『安全はお客様と会社を守る』という社是が図らずも試されました。それに対して社を挙げた対応により乗り越えることで、製品安全を中心に据えた同社の経営を一段と強靱なものとしたと言えます。また、同社の真摯なリコール対応は、顧客からのより高い信頼性を得ることにも繋がりました。


今後、奈良県天理市にて焙煎工場の拡大が予定されています。さらなる安全と顧客満足の向上が期待されます。



株式会社大一電化社からのコメント

大切なお客様へ


2022年のリコールでは、当社の企業使命である『安全はお客様と会社を守る』を忠実に守ることで危機を乗り越えることができました。行政・外部機関の皆様、当社協力会社と社員一同、そしてなによりも当社の対応を温かく受け入れていただいたお客様に心より感謝いたします。


当社には『安全はお客様と会社を守る』の企業使命とともに『お客様の期待を超える』という企業理念がございます。これはお客様のことを第一に考え、お客様が当社に抱かれる期待を少しでも超えることを自らに課した言葉です。


お客様は「何にお困りか」「お困りを解決するにはどうすればよいか」「当社へ何をどの程度望まれているか」、常にお客様の立場に立って観察し考える必要があります。


お客様の期待を敏感に感じ取り少しでも期待を上回った提案やサービスができるようにこれからも努力を重ねます。



PSアワードとは

PSアワードとは、製品安全に積極的に取り組んでいる企業を広く公募し、厳正な審査の上で、「製品安全対策優良企業」として表彰するものです。本表彰では、各企業が扱う製品自体の安全性の評価ではなく、企業・団体全体の製品安全活動に関する取組について評価します。


そして、受賞企業・団体は、受賞公表日より「製品安全対策優良企業ロゴマーク」を使用して、自ら製品安全対策の優良企業・団体であることを宣伝・広報することができます。


製品安全総点検月間

https://www.meti.go.jp/product_safety/consumer/soutenken.html


近畿経済産業局note PSアワード受賞企業一覧

https://note.com/hashtag/PS%E3%82%A2%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%89%E5%8F%97%E8%B3%9E%E4%BC%81%E6%A5%AD


株式会社大一電化社ホームページ

https://daiichi-mottainai.com/


身近な製品の裏に熱い想い。「製品安全総点検月間」とPSアワード(製品安全対策優良企業表彰)について

https://madeinlocal.jp/category/public/meti-kansai/001

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