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日常生活で使用している製品を清掃や点検をせずに長い間使い続けたり、不具合や違和感を無視して使い続けたり、誤った使い方をすると火災などの思わぬ事故につながるおそれがあります。


経済産業省では、11月を「製品安全総点検月間」とし、安全点検の呼びかけを行っています。


製品安全総点検月間

https://www.meti.go.jp/product_safety/consumer/soutenken.html


製品の安全点検を啓蒙するだけでなく、経済産業省は2007年からPSアワードを創設し、製品安全に積極的に取り組んでいる企業を広く公募・厳正な審査の上で、「製品安全対策優良企業」として表彰しています。


近畿経済産業局では、過去の受賞企業の紹介記事を掲載しています。これにより、製品の安全性を紹介するだけでなく、取組実現までの背景やストーリーも紹介しています。

今回は、2024年度PSアワード特別賞(審査委員会賞)を受賞された株式会社ふたごじてんしゃさんの記事をMade In Local内でもご紹介します。


近畿経済産業局note PSアワード受賞企業の記事はこちら

https://note.com/hashtag/PS%E3%82%A2%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%89%E5%8F%97%E8%B3%9E%E4%BC%81%E6%A5%AD



株式会社ふたごじてんしゃについて

株式会社ふたごじてんしゃは、2016年に兵庫県尼崎市で創業され、双子や年子を持つ親のニーズに応えるため、2018年に未就学児2人を乗せられる三輪自転車「ふたごじてんしゃ」を商品化し、販売を開始しました。


 同社は「誰もが命の誕生を当たり前に喜べる社会の実現」を企業理念として掲げ、「ふたごじてんしゃ」の企画開発と販売だけでなく、多胎家庭及び多子家庭の引きこもりや虐待防止支援事業、アセスメント販売®事業など、多岐にわたる活動を展開しています。


このたび、「アセスメント販売®」による製品事故防止の取り組みが評価され、2024年度PSアワード特別賞(審査委員会賞)の受賞に至りました。



「ふたごじてんしゃ」の特長

「ふたごじてんしゃ」は後輪が2輪の3輪自転車です。双子の子をもつ中原社長自身の経験を基に、多胎家庭の外出や移動が大変という悩みを解決するために生まれた製品です。


一般的な幼児同乗用自転車は前後に子どもを乗せることが可能ですが、前座席は製品安全上、体重や年齢等の使用制限があるため、安全な乗車のためには、就学期前の双子や年子を同時に乗車させることは望ましくありません。


一方、「ふたごじてんしゃ」は後部座席が縦に2つ並んでいる仕様で、1歳~未就学児までの子ども2人を同時に乗車させることができます。


「ふたごじてんしゃ」の最大の特長である3輪であることが、様々な安全上のメリットを生んでいます。平坦な場所では自立するため、手を添えるだけで車体を支える必要がないことや、前方に子どもが座っていないため視界が開け見通しよく安心して走行できることや、子ども達が体を急に動かしても車体が振れることはなくハンドルを取られる心配がないことが挙げられます。


しかし、安全性を高める3輪は、その特性からデメリットも存在します。「ふたごじてんしゃ」は3輪自転車のため後輪が2輪あり、スピードの出し過ぎや横傾斜での走行時、段差への乗り上げ時に片輪が浮き、転倒に繋がる恐れがあります。


「ふたごじてんしゃ」の電動アシストモデルでは、一般的な幼児同乗用自転車とは異なる特性を考慮し、スピードの出し過ぎを防ぐために、電動アシストの補助速度を通常よりも低速な14km/h未満に設定しています。


また、電動アシストあり・なし両モデルにおいては、利用者が「ふたごじてんしゃ」の特性を正しく理解し、安全に使用できるように、製品の特徴と利用シーンを組み合わせた動画を作成し、同社の公式YouTubeチャンネルで広く情報発信を行っています。



アセスメント販売®による製品事故防止の取り組み

「ふたごじてんしゃ」は他の自転車と同様に実店舗で購入することが可能ですが、購入前に同社が実施する事前診断(アセスメント)を修了した上でないと購入できない「アセスメント販売®」という仕組みを導入しています。


こちらの仕組みは、購入希望者が製品の特性を深く理解し、使用環境におけるリスクを事前に認識することを目的として開発されました。この仕組みを通じて、購入希望者が製品の特性を誤解したり、過度な期待を抱いたりすることを防ぎ、事故の未然防止を図っています。


具体的な事前診断(アセスメント)の内容については、購入希望者よりWEBフォームを通じて子どもの月齢、利用シーン、周囲の道路状況、駐輪スペースなどの情報を提供してもらい、それらを基に、「ふたごじてんしゃ」の特性や使用上の注意点を詳細に説明し、購入後に使用する自宅から目的地までの道路状況を確認した上でアドバイスを提供しています。


また、試乗会を開催し製品の使用感を直接体感してもらうなど、購入希望者自身の使用環境に適しているかどうかを解像度高く判断してもらうものとなっています。


無理な走行は事故につながりかねないことから、アセスメント結果では特に走行環境を重要視しています。


そのため、坂道の上に自宅がある方や交通量の多い車道の狭い路肩を走らなければならない方などへは、安全性の担保が難しいことを正直に伝えて代替手段を提案するなど、「ふたごじてんしゃ」を購入しない方がいいという提案をすることもあります。


こうしたアセスメント販売®の効果は製品事故の未然防止にとどまらず、購入者の満足度向上にも寄与しており、購入希望者が「ふたごじてんしゃ」の特性を十分に理解した上で購入するため、購入後のギャップが少なく、満足度が高い傾向にあります。



ふたごじてんしゃのこれから


これまで同社は「ふたごじてんしゃ」を通じて多くの多胎家庭に外出できる喜びを提供してきました。


今後は、双子や年子が乗れる自転車だけでなく、これまで自転車を諦めざるを得なかった人たちの日常の暮らしに自転車で移動するという選択肢を増やすため、小学生~大人を乗せられる自転車文化をつくろうと考えています。


大人2人が同時乗用できる自転車として、タンデム自転車という2人以上が乗車できる構造を有し、かつ、縦列に乗車装置の数だけペダル装置が設けられた自転車はすでに日本で利用されていますが、ペダル装置がなく同乗させるのみの2人乗り自転車はまだ日本国内に存在しません。


小学生~大人を乗せられる自転車の実用化には法律や規制、自転車の規格等様々なハードルがありますが、「誰もが命の誕生を当たり前に喜べる社会の実現」に向け、同社は歩みを止めることなく、次なる一歩を踏み出しています。



株式会社ふたごじてんしゃからのコメント

この度の「2024年度PSアワード特別賞」受賞は、私どもの一人ひとりに寄り添い、移動の選択肢を広げる「アセスメント販売®」の取り組みに対する皆様のご理解とご支援の賜物と、深く感謝申し上げます。


『ふたごじてんしゃ』を通じて、多くのご家庭に外出できる喜びを提供してきました。


その人らしさと安全なおでかけができる選択肢を第一に考えた「アセスメント販売®」 を通し、自転車での移動を望むすべてのご家庭の力になりたいと、私たちは願っています。


そして今、私たちは格差による移動制限という、より大きな社会課題に挑んでいます。この連鎖を断ち切るため、今後は「小学生から大人までを自転車で送迎する文化」を、『おでかけじてんしゃ(キャリアサイクル)』として創造していきます。


すべての人が移動の自由を享受できる豊かな社会の実現へ。私たちの挑戦は、これからも続いていきます。



PSアワードとは

PSアワードとは、製品安全に積極的に取り組んでいる企業を広く公募し、厳正な審査の上で、「製品安全対策優良企業」として表彰するものです。


本表彰では、各企業が扱う製品自体の安全性の評価ではなく、企業・団体全体の製品安全活動に関する取組について評価します。


そして、受賞企業・団体は、受賞公表日より「製品安全対策優良企業ロゴマーク」を使用して、自ら製品安全対策の優良企業・団体であることを宣伝・広報することができます。



関連リンク


製品安全総点検月間

https://www.meti.go.jp/product_safety/consumer/soutenken.html


近畿経済産業局note PSアワード受賞企業一覧

https://note.com/hashtag/PS%E3%82%A2%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%89%E5%8F%97%E8%B3%9E%E4%BC%81%E6%A5%AD


株式会社ふたごじてんしゃホームページ

https://futago-jitensya.jp/


身近な製品の裏に熱い想い。「製品安全総点検月間」とPSアワード(製品安全対策優良企業表彰)について

https://madeinlocal.jp/category/public/meti-kansai/001

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