柚葉
現在は市役所の職員をしております。
1983年に比内地鶏(日本三大地鶏)のふるさとで有名な比内町役場に入って仕事を始めました。
平成17年に市町村合併があってからは大館市役所の職員として働いています。
役所の仕事はもちろんのこと30年ほど地元の青年団、町の青年会、県の地域づくりネットワークなどの地域づくり活動にプライベートで携わり、人とのネットワークを作ってきました🌐
”住み良いまちづくり“、が仕事をする上でいつも私の目指したいと思っていることです。
自分も住みよく、皆さんも住みよく、来た方も住みよくというまちを作っていきたいと考えています🍃
秋田犬ツーリズムを作るまでの道のり
大館は秋田県北部の盆地にある秋田犬(あきたいぬ)の故郷です🐾
周りには有名な観光地の弘前、十和田八幡平国立公園、白神山地などがあります⛰
地形的にも、土壌的にも美味しい食べ物が豊富な街です。
世界的にも名の知られる秋田犬の故郷で、有名な観光地に囲まれている大館は残念ながら観光地でとは言えませんでした🥲
それに加え人口が徐々に減っていき、一人減るたびに年間125万の所得が失われているという現実の中で、どのようにして外からお金を持ってくるのか?となると、観光しかありませんでした。
2015年に観光庁でDMOという仕組みが提示され、“DMOって何?”から始まり、3カ月間集中的に勉強しました📝
そしてDMOはこれからの大館、私が作り上げて行きたいまちづくりに必要不可欠な仕組みだと考え、2016年にDMO「秋田犬ツーリズム」を設立しました。
観光協会は存在していましたが、インバウンドを受け入れる体制になっておらず、地元の人々の説得、どのような方向性で地元を盛り上げていくかなど、全て一から作り上げる必要がありました😳
しかしDMOを作ることよりも、作ってからどうしていくかが重要です👍🏼
できるだけ時間をかけず、時代の変化に置いていかれないように「秋田犬ツーリズム」と命名したDMOを半年ほどで作り上げました。
名前のせいか、最初の頃は犬を売っているのか?と勘違いされることもありました😂
しかし、検索件数が富士山の2倍と言われるほど世界的に有名な秋田犬をフックにインパクトのある名前をつけたことはよかったと思っています。
初めは大館市、北秋田市、小坂町の3つの自治体で連携していましたが、現在は上小阿仁村も加わり4つの自治体で活動しています。
まずは観光地でないところにお客様を呼ぶための仕組みを作らないといけないという思いで、またそれが住み良いまちを作るうちの一つのツールであると捉えていました。
ぶつかった壁
面白いことがありました。
2016年の11月1日、犬の日(ワン、ワン、ワン)にある動画投稿をしました🐾
その動画というのが秋田犬のアイドルが地域を紹介するというものなのですが、ポップな犬の声に合わせて踊る秋田犬アイドルです。(※現在は権利の関係で公開されていません。)
体は人で、顔だけ犬です。
これがすごくインパクトのあるものになって、話題を掻っ攫いました。
動画の再生回数もすごく伸びて、ニュースにもなりました。
しかし初めは市内の反響がすごくネガティブでした😵
これが大館のイメージになってしまう、こんなもので良い反響が得られるとは思わない、と。
しかし、動画の再生回数も伸び、メディアが注目するようになり、みんなが大喜びしました💫
チャレンジの積み重ねでしたが、少しずつインバウンドの旅行客、外国人旅行客が増えて2.5倍くらいになりました。
そしてもう一つの取り組みは枝豆です。
枝豆は生産するうちの2割ほどにさやに傷があったり、豆が一つしか入っていないなどから生では流出しない規格外品となります❌
しかし食べてしまえば味は同じなのでそれらを加工できないかという考えから始まりました。
農協さんが元々それらをペースト加工したものを生産していたのでそれらを使おうということとなりました。
そこでぶつかった一つ目の壁が農協の豆の味でした。
一気に生産するため生で販売する枝豆を優先し、規格外品の豆は後回しとなってしまい品質が下がってしまうということが起こっていました。
このため、地元の意識の高い農家さん2組に協力してもらい、収穫したての枝豆を加工し販売する「朝採れ枝豆」を2年目から始めました。
朝採れ枝豆の評判はとても良く、このパウダーを練り込んだ枝豆スナックのお土産が大人気です。
そこでコロナ感染症が始まりました🦠
これからの挑戦や取り組み
大館市を北東北の拠点都市にすることが、今描く大館の未来像です。
大館は、ざっくりですが青森市まで2時間、盛岡市まで2時間秋田市まで2時間📍
世界自然遺産白神山地、十和田八幡平国立公園、世界文化遺産の縄文遺跡群があるエリアに囲まれた価値のある場所です🌿
大館をこれらの文化遺産、世界遺産を目指してくるお客さんの拠点にしたいと考えています。
大館能代空港は羽田から70分、羽田発となる全日空便の本州最北端の地で秋田自動車道とも繋がっています。
また、来年2023年はハチ公が生まれて100年になる今までにない記念すべき年です。
ハチ公は大館生まれの秋田犬です。
そんなハチ公を軸に大館と渋谷の繋がりを都市と農山村交流のロールモデルにしていきたいです。
例えば、大館と渋谷の間での子供達が参加できるサマースクール、渋谷の人が大館に飛行機で来た時に割引する渋谷割りなどを考えています。
デジタルにおいてはデジタルハチ公などを利用し遊びのあることをしていきたいです。
これからのターゲットは世界に開かれている渋谷です🌏
DMOを立ち上げた当初、10年後に「10年前、大館は観光の街じゃなかったんだ」と言われるような街にしたいというのが目標でした。
観光地ではなく、観光を活用した大事な場所、観光も一つのツールであるという認識でいいと考えています。
諦めてしまえば失敗になるけれど、諦めなければずっと挑戦になります。そして小さな成功の積み重ねが大事だと思っています✔️
大館の未来を担う世代
これからの大館にすごく大切な子供たちのお話を少しさせていただきます。
私は今57歳で、大館は何もないよと言われて育った世代です。
しかし、素晴らしいことに今の若い世代の子供たちは「大館はすごくいい街なんだよ」と言われて育ち、子供達もそう感じていることが10年ごとに行う高校生へのアンケートでわかりました。
これからも大館に住みたいと思う子供達が、10年前の倍になっています。
実は大館は、全国学力テストでトップクラスを誇る街で、教育方針も少し特別な「大館ふるさとキャリア教育」というプログラムを採用しています。
「大館盆地全体を教室に市民一人ひとりを先生」にという理念で取り組んでいます。
学校の授業だけでなく、地域と一緒に学ぶこと、ボランティアなどを通してキャリアパスポートを作成できるようなことに取り組んでいます。
このような取り組みの中で、地元の大人たちが街づくり一生懸命に取り組む姿を見て子供たちの地元への思いも変化してきています。
また子供たちだけではなく、大人たちも子供達にそんな姿を見せたいともうようになってきています。
最後に
この街が好きだから、この街で生きて行きたいと思っているし、生きていくためにはいい街であって欲しいと思って頑張っています。
時代は変化していき、答えがどこにあるのかわからなくなってきます。
自分の中で正しいと思ったことを信じて進んでいくしかないです。
それとやはり、10年前はこんなひらけた街ではなかったと言いたいなと思っています。
類は友を呼びます。
こういった取り組みに賛同し、協力してくれる人や企業が内外問わずたくさん集まり、まちとまちを結ぶ動きが活発化してきました。
大館の未来は明るいと思っています。
自治体名 | 大館市 |
---|---|
所在地 | 秋田県大館市中城20 |
所属部署 | 観光交流スポーツ課 |
代表者名 | 大館市長 福原淳嗣 |
- エリアから探す
北海道・東北
関東
中部・北陸
近畿
中国・四国
九州・沖縄
お問い合わせ
掲載依頼・取材依頼・Made In Localシリーズおよび地域を代表する企業100選についてのお問い合わせ等、承っております。まずはお気軽にご相談ください。
会社概要
Made In Localは、株式会社IOBIが運営する地方創生メディアです。弊社では現在、事業拡大につき、新卒・中途ともに積極的に採用活動を行っております。 ご興味のある方はぜひご一読ください。
Made In Localは地方創生メディアの運営を通して地域の産業振興や地域間格差の是正に取り組んでおり、「産業と技術革新の基盤をつくろう」・「人や国の不平等をなくそう」・「住み続けられるまちづくりを」の3つのSDGsのターゲットの実現を目指しています。