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日本人が毎年春になると心待ちにするものと言えば、桜の開花ですよね🌸
「入学式や卒業式に桜は咲いているかな…」と、学生時代に桜の開花時期の情報に一喜一憂した経験のある人も多いはずです。
皆さんは、そんな日本の春を象徴する桜の歴史を知っていますか?
実際に聞かれると、意外に知らないという方が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、日本の桜の歴史から日本さくら名所百選について見ていきましょう!
日本さくら名所百選について詳しく知りたいという方は、ぜひこちらの記事をご覧ください!
百選の選定基準や選定の背景について取り上げているので、今回の記事と併せて読むと、日本さくら名所百選についてより詳しく知ることができます!
【日本さくら名所百選】日本を象徴する桜の美しさを堪能しよう!
https://madeinlocal.jp/category/100collection/002
日本の桜の起源って?
資料から見る!日本の桜の歴史
実は、桜は日本固有の植物ではなく、韓国や中国などの日本以外の温帯の国でも自生しています。しかし、その起源については、詳しくは分かっていないのです。
そして、謎の多い桜の歴史は日本の文献や資料から探ることができるのです!
「桜」という文字が見られる最古の日本の文献は、8世紀初頭に編纂された『古事記』であると言われています。
同時代の『万葉集』にも桜を詠み込んだ歌が複数見られますが、このころはまだ、儀式や行事で桜を使用したり、見たりするような習慣は存在していなかったそうです。
「桜=春の花の象徴」というイメージがついたのは、平安時代の『古今和歌集』からであると言われています。
奈良時代までは、3月3日の桃の節句などの儀式に桃や梅を使用していましたが、いずれも中国から持ち込まれた日本に自生しない植物であったことから、平安時代になると日本に自生する桜が儀式や行事に使われるようになったという説があるのです。
『古今和歌集』には、編者である紀貫之自身が詠んだ「桜花 散りぬる風の なごりには水なき空に 波ぞ立ちける(風で桜の花が散ってしまった名残には、水のない空に波が立っているようだなあ)」という歌をはじめとした桜を題材にした歌が数多く収録されています。
ちなみに、この頃から「歌に出てくる花=桜」という認識も広がっていったそうです!
江戸時代に描かれた浮世絵にも桜が登場するものが多く、時代を超えて桜が日本で愛されてきたことが分かります。
桜が自生している国が他にもある中で、国を象徴する花になっているのは日本だけというのが面白いですよね!
桜を愛でよう!という人がいたから…文化人たちが桜を作品に取り入れたから…
数々の出来事が重なって、現在でも桜が日本で春の象徴として愛されているのです✨
花見の歴史
続いては、皆さんが毎年楽しみにしている「花見」の歴史についても少し見ておきましょう!
花見は、平安時代の貴族が桜を見ながら歌を詠んだり、蹴鞠をしたりする行事が始まりだと言われています。
しかし、この頃は初春の梅や初夏の藤のように、季節ごとに代表的な花や植物があり、桜だけが特別に鑑賞する習慣のある花というわけではありませんでした。
このように貴族の文化だった花見も時代の流れとともに、次第に農民の間で「その年の豊作を願って桜の下で宴会をする行事」として親しまれるようになりました。
そして、庶民の間で本格的にお花見を楽しむ習慣ができたのは17世紀後半の江戸時代・寛文年間からだといわれています!
17世紀前半の享保年間に八代将軍吉宗が、隅田川堤など各地に数千本の桜を植えて庶民の花見を奨励したことがきっかけとされています。
この取り組みによって、庶民も春になると桜の下で食事や宴会をするようになったそうです。
ちなみに、江戸時代に刊行された『料理早指南(りょうりはやしなん)』という書物によると、当時のお花見弁当で人気だったのは、卵焼きやかまぼこを入れた色鮮やかな弁当だったようです。
桜の下で、普段とは違う華やかな料理を食べたいという気持ちは、現代も江戸時代も変わらないのですね🌸
桜の種類の歴史を見てみよう!
次は、桜の種類の歴史について見ていきましょう👀
日本に元々自生する桜の野生種は9種類あり、この9種類を掛け合わせて作られた栽培品種も多く存在するため、一口に桜と言っても色や花弁の大きさ・数も様々です。
野生種を掛け合わせて栽培品種を作る作業は、平安時代には始まっていたと言われています。その最も古い例が、エドヒガンという野生種の突然変異でできたシダレザクラです。
誰もが知っているようなシダレザクラも野生種ではなく後から作られた品種ということに驚きますよね!
そして、日本の桜の代表とも言える「ソメイヨシノ」も実は栽培品種なのです!
江戸時代に、東北から九州まで日本国内の広範囲に分布していたエドヒガンと、伊豆諸島の大島などに分布していたオオシマザクラを掛け合わせて作られました。
桜は接木によって育種されるため、現在全国で春を彩っているソメイヨシノは、全てはじめに作られた1本の原木のクローンなのです!
桜の種類にも歴史や奥深さを感じるエピソードがあるということが分かりましたね!
ソメイヨシノを堪能できるさくら名所4選!
ソメイヨシノの誕生秘話について知ったところで、せっかくなので日本のさくら名所百選の中でも特にソメイヨシノが咲き誇る4ヶ所をご紹介します!
霞ヶ城公園(福井県)
1ヶ所目は、福井県坂井市の「霞ヶ城公園(かすみがじょうこうえん)」です!
公園内にある丸岡城を取り囲むように咲く約400本のソメイヨシノを見ることができます。
もちろん昼の明るいうちに城と桜の組み合わせを楽しむのも良いですが、霞ヶ城公園の魅力はそれだけではありません!
夜になるとぼんぼりでライトアップされたソメイヨシノを楽しむことができるのです!
プロジェクションマッピングの投影も行っており、夜桜を楽しむのにピッタリのスポットです。
霞ヶ城公園
所在地:福井県坂井市丸岡町霞町1-59
公式HP:https://kanko-sakai.com/spot/k003/
新境川堤(岐阜県)
2ヶ所目は、岐阜県各務原市の「新境川堤(しんさかいがわつつみ)」です!
新境川の両岸約4㎞に渡って、約1000本のソメイヨシノが咲き誇る圧巻の景色を見ることができます。
そして、実はこの新境川堤の桜は、各務原市出身で明治から昭和にかけて活躍した歌舞伎役者である市川百十郎が、境川の放水路の完成を記念して寄贈したものなのです!
このエピソードを受けて、地元では「百十郎桜」と呼ばれ、親しまれています。
素敵なエピソードと新境川を挟むように咲き誇るソメイヨシノが魅力の新境川堤にぜひ足を運んでみてください!
新境川堤
所在地:岐阜県各務原市那加門前町周辺
公式HP:https://www.kankou-gifu.jp/spot/detail_3362.html
岡崎城公園(愛知県)
3ヶ所目は、愛知県岡崎市の「岡崎城公園(おかざきじょうこうえん)」です!
「徳川家康の生まれた場所」として皆さんもご存じであろう岡崎城とその周辺の乙川・伊賀川に咲く約800本のソメイヨシノを見ることができます。
毎年、桜の咲く3月末〜4月上旬には「岡崎桜まつり」も開催されており、出店やイベントで公園が多くの人で賑わいます。家族や友人と楽しみながらソメイヨシノを見たいという方におすすめです!
また、舟の上から桜を見ることができる「岡崎城下舟あそび」も開催されるので、普段とは違ったお花見がしたい方は、ぜひ岡崎市を訪れてみてくださいね!
岡崎城公園
所在地:愛知県岡崎市康生町561-1
公式HP:https://okazaki-kanko.jp/feature/sakuramaturi/top
岡崎城下舟あそび
https://www.funaasobi.jp/
海津大崎(滋賀県)
4ヶ所目は、滋賀県高島市の「海津大崎(かいづおおさき)」です!
海津大崎では、琵琶湖岸に約4㎞に渡って咲く、約800本のソメイヨシノを見ることができます!
800本のソメイヨシノの中には、樹齢80年を超えるものから次世代にこの景色を引き継ごうと新たに植えられた若い木まで…これまでの歴史とこれからの未来、そしてソメイヨシノと琵琶湖の作り出す美しい景色を感じることのできるスポットです。
そして、この海津大崎の桜は、気候によって前後はしますが見頃が4月上旬で、近畿圏では遅咲きの桜の名所として有名です。
地元で桜を楽しんだ後に、少し遠出をして海津大崎の桜を堪能するのも良いかもしれません!
海津大崎
所在地:滋賀県高島市マキノ町海津
公式HP:https://takashima-kanko.jp/sakura/
おわりに
今回は「歴史」という側面から日本のさくら名所百選を見ていきました!
毎年春になると私たちを和ませてくれる桜には、深い歴史があるということをお分かりいただけたのではないでしょうか。
桜や花見の歴史を知ったことで、次の花見はより趣深いものになるかもしれませんね🌸
今回の記事で、日本のさくら名所百選が気になった方は、ぜひ百選に選定されている土地や選定の背景にも目を向けてみてください!
それでは、また次のニッポンの百選記事でお会いしましょう👋
関連記事:【日本さくら名所百選】日本を象徴する桜の美しさを堪能しよう!
「日本のさくら名所百選」一覧
北海道
001 二十間道路桜並木:北海道日高郡新ひだか町
002 松前公園:北海道松前郡松前町
東北地方
003 芦野池沼群県立自然公園:青森県五所川原市
004 弘前公園(鷹揚公園):青森県弘前市
005 高松公園:岩手県盛岡市
006 北上市立公園展勝地:岩手県北上市
007 船岡城址公園・白石川堤:宮城県柴田郡柴田町
008 桧木内川堤・角館武家屋敷:秋田県仙北市
009 千秋公園:秋田県秋田市
010 真人公園:秋田県横手市
011 鶴岡公園:山形県鶴岡市
012 烏帽子山公園:山形県南陽市
013 三春町のシダレザクラ:福島県田村郡三春町
014 霞ヶ城公園:福島県二本松市
015 鶴ヶ城公園:福島県会津若松市
関東地方
016 かみね公園・平和通り:茨城県日立市
017 静峰公園:茨城県那珂市
018 日光街道桜並木:栃木県宇都宮市
019 太平山県立自然公園:栃木県栃木市
020 赤城南面千本桜:群馬県前橋市
021 桜山公園:群馬県藤岡市
022 熊谷桜堤:埼玉県熊谷市
023 大宮公園:埼玉県さいたま市
024 長瀞:埼玉県秩父郡長瀞町
025 清水公園:千葉県野田市
026 茂原公園:千葉県茂原市
027 泉自然公園:千葉県千葉市
028 上野恩賜公園:東京都台東区
029 新宿御苑:東京都新宿区
030 隅田公園:東京都墨田区
031 小金井公園:東京都小金井市
032 井の頭恩賜公園:東京都武蔵野市
033 県立三ツ池公園:神奈川県横浜市
034 小田原城址公園・城山公園:神奈川県小田原市
035 衣笠山公園:神奈川県横須賀市
中部地方
036 大河津分水:新潟県燕市
037 高田公園:新潟県上越市
038 村松公園:新潟県五泉市
039 高岡古城公園:富山県高岡市
040 松川公園:富山県富山市
041 兼六園:石川県金沢市
042 足羽川・足羽山公園:福井県福井市
043 霞ヶ城公園:福井県坂井市
044 大法師公園:山梨県南巨摩郡
045 小諸城趾懐古園:長野県小諸市
046 高遠城址公園:長野県伊那市
047 臥竜公園:長野県須坂市
048 新境川堤:岐阜県各務原市
049 霞ヶ間渓:岐阜県揖斐郡池田町
050 根尾谷・淡墨公園:岐阜県本巣市
051 富士霊園:静岡県駿東郡小山町
052 さくらの里:静岡県伊東市
053 岡崎公園:愛知県岡崎市
054 山崎川四季の道:愛知県名古屋市
055 鶴舞公園:愛知県名古屋市
056 五条川:岩倉市、江南市、大口町
近畿地方
057 三多気:三重県津市
058 宮川堤:三重県伊勢市
059 海津大崎:滋賀県高島市
060 豊公園:滋賀県長浜市
061 嵐山:京都府京都市
062 御室桜:京都府京都市
063 醍醐寺:京都府京都市
064 笠置山自然公園:京都府相楽郡笠置町
065 大阪城公園:大阪府大阪市
066 造幣局:大阪府大阪市
067 万博記念公園:大阪府吹田市
068 姫路城:兵庫県姫路市
069 明石公園:兵庫県明石市
070 夙川公園・夙川河川敷緑地:兵庫県西宮市
071 奈良公園:奈良県奈良市
072 吉野山:奈良県吉野郡吉野町
073 郡山城址公園:奈良県大和郡山市
074 紀三井寺:和歌山県和歌山市
075 根来寺:和歌山県岩出市
076 七川ダム湖畔:和歌山県東牟婁郡古座川町
中国地方
077 久松公園:鳥取県鳥取市
078 打吹公園:鳥取県倉吉市
079 松江城山公園:島根県松江市
080 斐伊川堤防桜並木:島根県雲南市
081 鶴山公園:岡山県津山市
082 千光寺公園:広島県尾道市
083 上野公園:広島県庄原市
084 吉香公園・錦帯橋:山口県岩国市
085 常盤公園:山口県宇部市
四国地方
086 西部公園:徳島県徳島市
087 琴弾公園:香川県観音寺市
088 城山公園:愛媛県松山市
089 鏡野公園:高知県香美市
090 牧野公園:高知県高岡郡佐川町
九州地方
091 西公園:福岡県福岡市
092 小城公園:佐賀県小城市
093 大村公園:長崎県大村市
094 熊本城:熊本県熊本市
095 市房ダム湖畔:熊本県球磨郡水上村
096 水俣市チェリーライン:熊本県水俣市
097 岡城公園:大分県竹田市
098 母智丘関之尾公園:宮崎県都城市
099 忠元公園:鹿児島県大口市
100 名護城公園:沖縄県名護市
参考
農林水産省「日本の桜の歴史」
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2303/spe1_02.html
公益財団法人日本さくらの会「さくらの基礎知識」
https://www.sakuranokai.or.jp/chishiki/
「さくら名所百選の地」一覧
https://www.sakuranokai.or.jp/wp-sakuranokai/wp-content/themes/sakuranokai/images/2022/09/sakura_100sen_202209.pdf
農林水産省「お花見の歴史とお花見弁当」
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/culture/wagohan/articles/2303/spe15_02.html
マナペディア
https://manapedia.jp/text/2087
レファレンス協同データベース
https://crd.ndl.go.jp/reference/entry/index.php?id=1000284499&page=ref_view
岐阜の旅ガイド
https://www.kankou-gifu.jp/spot/detail_3362.html
坂井市
https://www.city.fukui-sakai.lg.jp/kankou/event/r7/maruka_castle_cherry_blossom_festival_2025.html
さかい旅ナビ「丸岡城」
https://kanko-sakai.com/spot/k003/
びわ湖高島観光ガイド
https://takashima-kanko.jp/sakura/
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