北海道に難読地名が多いのはなぜ?~アイヌ文化との深い関わり~
むぎ


ご覧くださりありがとうございます、学生ライターのむぎです📚

北海道には「札幌」・「釧路」・「網走」など、一筋縄ではいかない難読地名が多く存在します。
ただ、これらの地名は漢字は難しいものの地名自体が有名なので、読める方も多いかもしれません。では、次の地名はどうでしょうか?

「茨戸」・「標津」・「濃昼」

いばらと?ひょうづ?こいひる...…?
色んな読み方が考えられそうですが、答えは「ばらと(茨戸)」「しべつ(標別)」「ごきびる(濃昼)」です。

知識がなくては到底読めないこれらの地名、一体どうしてこんなに難しい名前になったのでしょうか?
今回は、こうした難読地名の由縁について、「茨戸(ばらと)」・「濃昼(ごきびる)」に焦点を絞って一緒に学んでいきましょう!

北海道の難読地名

〇『茨戸(札幌市)』

まずは札幌市の『茨戸(ばらと)』から見ていきましょう。

この地名はアイヌ語で「広い湖」を意味する「パラ・ト(para-to)」という言葉が由来なのだそうです。
「パラ(para)」が「広い」、「ト(to)」が「湖」にあたり、洞爺湖の「洞」の字も同じ「ト(=湖)」が由来なんだとか!

このように一つの語に対して別の文字が用いられるのは、アイヌ語の地名にあてられた漢字が表意文字であり、アイヌ語での意味は反映していないことが理由のようです。

北海道を訪れる際は、ある地名と他の地名の共通点を探してみるのも楽しそうですね🔍

〇『濃昼(石狩市)』

つづいて石狩市の『濃昼(ごきびる)』

この地名は、アイヌ語の「ポキンピㇼ(pokin-pir)」という言葉にちなんでいるようです。
「ポキン(pokin)」は「下の」、「ピㇼ(pir)」は「渦、蔭、傷」と複数の意味がある語です。

そのため、この地が岬の蔭だったため「蔭の蔭」を意味するという説や、この岬と厚田領の岬の間に水の渦巻があったため「水渦巻」を指すとする説など複数の解釈がされているそうです🌊

ところで、「ポキンピㇼ(pokin-pir)」で小文字の「リ」を初めて見たという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
実は、アイヌ語は文字を持たないとされており、表記には便宜上近しい発音のカタカナやローマ字を使用しているため、このような書き方がされるようです!

ちなみに、アイヌ文化が描写された人気漫画『ゴールデンカムイ』の登場人物である「アシㇼパ」さんの名前にもこの表記が含まれています📖

おわりに

今回はほんの一部しかご紹介することができませんでしたが、北海道には豊かな歴史的背景をもった地名がたくさんあります!

北海道とアイヌ文化との深い関係性は知れば知るほど面白いです✨ご興味を持たれた方は、ぜひ現地でアイヌ文化を感じてみてはいかがでしょうか...?

最後まで読んでいただきありがとうございました!

参考

北海道アイヌ政策推進局アイヌ政策課「アイヌ語の地名」(最終閲覧:2024/04/15)
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/ass/new_timei.html 
国土交通省「アイヌ文化」(最終閲覧:2024/04/15)
https://www.mlit.go.jp/hkb/ainu000002.html 

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