こんにちは、ライターの「ゆいと」です!

網走市を代表する観光スポットである「網走監獄」。
今では多くの人に知られる名所となっていますが、どうしてここまで有名になったのでしょうか。
その秘密に迫るべく、今回は網走監獄について詳しく見ていきたいと思います!

網走監獄のはじまり

網走監獄の歴史は、1890(明治23)年に設置された「釧路監獄署 網走囚徒外役所」に始まります。
その当時は明治維新の動乱が起こっており、全国の収容所が政治犯などで溢れかえっていました。そこで明治政府が彼らを広大な土地を持つ北海道に送ろうと考えたのです。

(以下、網走監獄ホームページから引用。)
世の中が、江戸から明治と大きく切り替わり、町を行く人たちの「ちょんまげ」が「ざんぎり頭」に変わり、腰に刀をぶら下げた人たちも少なくなって ほんの二十年くらい後の日本の北のはじっこの寂しい漁村が舞台です。 冬になると海まで凍ってしまうその村では、なかなか開拓も進まず、十年ほど前にやっと、村で越冬する人たちが増えてきた、そんな場所でした。
それから一ヵ月後、村に奇妙な赤い着物に身を包み、手足を鉄の鎖で繋がれた屈強な男達が50人現れます。男達は監視する役人の指示のもと、川に面した森の大きな木を次々と切り倒すと、それを材料に自分達が寝泊りする小屋を建てはじめました。次の月には、また50人の鎖で繋がれた男達が現れ黙々と仕事を手伝い始めます。その次の月にもまた鎖で繋がれた男達が現れ・・・ 村の人たちが気がついたとき、そこには千人以上の囚人が生活ができる大きな刑務所ができあがっていました。

このようにして始まった網走監獄。実は“日本一脱獄が難しい刑務所”だと言われていたんです!

次はその理由に迫っていきましょう!

一度入ったら二度と出られない!?網走監獄の秘密

網走監獄の建築の一番のテーマは、いかに囚人たちが逃げられないような空間にすることであり、それが監獄の形に現れています。
網走監獄は50m以上ある5棟の舎房でできています。この5棟は1点でつながっており、そこにある中央見張という小部屋で囚人を監視していました。
この「五翼放射状平屋舎房」はベルキーのルーヴアン監獄を参考にしており、大勢の囚人を少ない看守で見張ることができるという点で優れています。この形を採用したことで、監視カメラのない時代にも関わらず多い時には最大で1000名を超える囚人を監視できていたそうです!

もう一つ囚人たちを苦しめたのは網走という土地の厳しい気候地理的な条件です。北海道の冬の寒さは言うまでもなく厳しいものでした。それに加えて北海道という広大な土地の孤立性。この二つが囚人たちを精神的に追い詰めていったのです。

この厳しい環境で囚人たちは北海道開拓のための労働力として日々勤めていました。囚人たちのおかげで道路やインフラが整備され北海道開拓が進んだ一方、あまりに過酷な労働条件のために命を落とす囚人も後を絶たなかったそうです。

網走監獄が日本一脱獄が難しい刑務所と言われる所以が想像できますね!

ところで「脱獄できた人もいたんじゃないの?」と思った人もいるのではないでしょうか。

正解です。実はこの監獄を攻略して脱獄した人がいたんです。
ということで次はその脱獄に成功した、とある男について紹介していきます!

脱獄を試みた囚人たち

網走監獄はその厳しい環境から脱獄を試みる囚人も多くいましたが、皆ことごとく失敗していきます。
そんな中、脱獄を達成した男がいます。名前は「白鳥由栄(しらとり よしえ)。この男、他の刑務所も含めて計26年の服役中に4回も脱獄事件を起こしており「昭和の脱獄王」と呼ばれるほどの脱獄のプロです。
気になるその脱獄方法は想像を絶するものでした。

白鳥は網走に収容される前にも脱獄をくり返していたわけですから、刑務所側も彼に対して特別な措置をとります。彼の独房は5本の鉄枠が縦に溶接されており、その奥にさらに特別な視察口を設置しました。この視察口の大きさは縦約20cm、横約40cmであり常識で考えればこの視察口から出ることは不可能。なはずだったのですが白鳥は鉄枠さえ外せば出られると考えたのです。

白鳥は鉄枠を外すために鉄枠をとめる竹製のボルトに注目し、このボルトに朝と晩の1日2回支給された味噌汁をかけて、その塩分でボルトを腐らせるという奇策を企てました。味噌汁をかけ続けること3ヶ月、ついにボルトが緩み鉄枠に隙間を作ることに成功。鉄枠の外へ出ることができました。
そして問題の視察口を突破するために、白鳥は自分の体の関節を脱臼させることでなんとか肩幅を狭めて潜り抜けることができたそうです!

こうして監視の目を潜り抜けて脱獄に成功しました。
常人離れした白鳥の身体能力と味噌汁を使おうという発想に驚かされますね!また当時、白鳥は60代後半だったというのも驚きです!

終わりに

いかがでしたか?
現在、網走監獄は博物館として一般公開されているので実際に建物内に入ることができます!

また白鳥由栄は漫画「ゴールデンカムイ」の白石由竹のモデルとなっており、網走監獄も登場しています。合わせてチェックしてみてください!

参考

・博物館 網走監獄公式サイト
https://www.kangoku.jp/index.html
・文春オンライン 「生きてる人間にも蛆が湧くことをはじめて知ったね」脱獄のプロも死を覚悟……網走刑務所で受けた“むごい仕打ち”『逃げるが勝ち 脱走犯たちの告白』 #2
https://bunshun.jp/articles/-/54649
・たびらい 網走観光で外せない「博物館 網走監獄」北海道開拓の歴史を学ぶ旅に出かけよう
https://www.tabirai.net/localinfo/article/article-17038/

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