企業のこれまでとこれから
御社の創業から現在に至るまでの歴史について、転換点となった出来事を含めて教えてください。
1659年から先祖代々親族が継承している、老舗の南部釜工房です。創業当初は江戸時代にあたり、南部藩ひいては江戸幕府に召し抱えられ金銭面でも支えられておりました。そのような関係から明治政府になったタイミングで一般企業となり、こちらの変化が第一の転換点です。先代の努力があったおかげで、一般企業となってからも御釜屋が続いてこれたと感じております。ここ数年の間に危うい事態も経験しましたが、ネットでの注文受付の開始やそちらに伴った顧客層のグローバル化など、古いものを守りつつ時代の流れに従うことで、逆境を乗り越え、第二の転換期として再スタートを切ることができました。
御社の現在の事業の強み・特徴やこれからの展望について教えてください。
南部鉄器は従来の南部藩、今の盛岡で誕生したものです。伝統工芸品として昔ながらの製法を用い、鉄瓶や南部釜など鋳造品を製造しております。弊社の南部鉄器の特徴は、かつて南部藩で作られていた鉄の古銭を原材料として古銭砂鉄から鉄瓶をつくっていることです。鉄の違いで付加価値が生まれるため、他にはない南部鉄器を売り出すことで差別化をしております。実際、このような古銭鉄瓶を製造しているのは弊社だけです。また弊社は現在店舗を持たず、ネットからの注文のみ受け付けております。近年の注文の8割は中国・アジア系です。最近ではヨーロッパとの取引も行い始めました。歴史のある製造方法や江戸時代からのデザインなど、このような古き良きものを守りながら、インターネットを利用するなど時代に順応しながらこれからも南部鉄器をグローバルに広めてまいります。
企業から見た地域の魅力について
御社から見た岩手地域の魅力について教えてください。
藩の場所が変わることを意味する「鞍替え」が多かった時代から南部藩が移動することはありませんでした。また江戸時代になり比較的争いがなくなると、文化の方に目を向ける時間が増えたと思います。そのような点で、盛岡に根付いた文化というのは非常に長い歴史があると言えるのではないでしょうか。また南部鉄瓶を作る道具や砂・粘土などの材料が豊富にあったことも南部鉄瓶が根付いた要因です。材料の資源として、また盛岡の特産品ブランドなどの地域資源も豊富にあります。そんな「メイドイン南部」のひとつとして南部鉄瓶をグローバルに発信することで、盛岡を盛り上げる一要素になれば嬉しいです。
企業が求める人材像について
御社に応募していただきたい人材像について、具体的に教えてください。
南部鉄瓶は、作ろうと思い立ってすぐ作れるものではありません。10年前後の期間を経て、ようやく鉄器を作れるようになります。そのような長い年月の中で努力を続けられる忍耐力、そしてものを作りたいという思いこそが何よりも必要です。またセンスや才能よりもまずは継続できるか、メンタルの強さも重視しております。4人いればつくるスピードが4倍になるというわけではありません。長い時間をかけて形成される森をつくるように、弊社としても1人2人を長いスパンで育ててまいりますので、ともに南部鉄瓶を後世に繋げてくださる方をお待ちしております。
ひとを知る
11代目
小泉仁左衛門
1971年6月1日生。岩手県立盛岡工業高等学校機械科を卒業後、4年間一般企業に就職し23歳で父10代目小泉仁左衛門に師事。2023年6月、11代目小泉仁左衛門を襲名し作品を制作し続けている。
企業プロフィール
企業名 | 御釜屋 |
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所在地 | 〒020-0045 岩手県盛岡市盛岡駅西通二丁目1-23 |
創業年 | 1659年創業 |
代表者 | 11代目 小泉仁左衛門 |
事業内容 |
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