丸三漆器

岩手の伝統工芸「秀衡塗」を後世に残しながら、現代の生活に必要とされる漆器作りを。

技を伝承し、秀衡塗を作り繋げながら、漆とガラスの融合や、普段使いにブランディングした漆器、漆の地球儀等のプロダクトを通して、漆に対する認知度を上げ、漆を必要とされるものとして残していきたい。

企業のこれまでとこれから

御社の創業から現在に至るまでの歴史について、転換点となった出来事を含めて教えて下さい。

明治37年(1904年)に創業した際は冠婚葬祭用の「御膳」が主力でした。後に御膳の需要が落ち、岩手の伝統工芸「秀衡塗」の製造を開始します。しかし「秀衡塗」の売り上げも落ち始め、試行錯誤の末に完成したのがガラスに漆絵を描いた「漆絵グラスHidehira」です。初めはガラスと漆という組み合わせに難色を示す職人もいましたが、物産・百貨店等での販売からお客様にも認知されるようになり、今では売り上げの柱となる商品です。また、SDGsの「陸の豊かさも守ろう」を意識し、岩手の漆の木保全団体に加入しています。漆器は木と漆でできているため、自然に還る、地球にやさしい製品です。

御社の現在の事業の強み・特徴これからの展望について教えて下さい。

丸三漆器の強みは、創業から現在まで、漆器を木地から一貫して製造可能な工房であるという点です。これにより、オーダーメイドや新商品の開発等、ユーザーの希望に柔軟に応えることが可能になっています。現・代表取締役である5代目青栁真は弟の匠郎と共に、普段使いに特化し使いやすさを重視した漆器「FUDAN」を開発しました。今後の展開としては、漆器販売、漆絵体験、漆器を使ったカフェを一つにした店舗の出店を検討しています。より多くのお客様に「秀衡塗」を知って頂けるアクションを起こしていきたいと思っており、初代青柳清之助の「いいものを作れ」という言葉を受け継ぎながら、新しいことに挑戦し続けたいと考えています。

企業から見た地域の魅力について

御社から見た岩手地域の魅力について教えて下さい。

岩手にはたくさんの魅力があります。住みやすいところですし、自然豊かで景勝地も多いです。沿岸部の町も素敵で、りんごなど、美味しいものもたくさんあります。また、かつて奥州藤原氏が栄えた平泉の地ということで、中尊寺金色堂をはじめとした歴史的な建物もたくさんあります。実は秀衡塗の由来はその奥州藤原氏に関係していて、かつて藤原秀衡が京都から職人たちを呼び寄せ漆と金を使った器を造らせた、という話が起源とされています。実際に残っている最古の秀衡塗は戦国時代のものですが、平安時代に金色堂を造った職人がいたことなどを考えると、いろいろと想像が掻き立てられるのもこの土地の魅力です。

企業が求める人材像について

御社に応募していただきたい人材像について、具体的に教えて下さい。

漆器という伝統工芸品を扱っている会社なので、やはり技術は必要になります。岩手には漆の塗り方を教える学校があり、今はそこの卒業生に仕事を委託することもあります。ずっと漆と向き合うことになるので、漆を扱うことが好きな人に来ていただきたいです。工房にいる職人は黙々と仕事をなさる方々が多く、一つのことに長時間向き合える力も必要です。また、良いものを作りたいという向上心を持つことも大事です。伝統を守りつつ現代に合った漆器作りを目指すという観点では、新しいことに挑戦するのが好きな方にも向いている会社だと思います。

ひとを知る

代表取締役
青栁真

大学卒業後、広告代理店に2年勤務。その後、家業である「有限会社丸三漆器」に入社。明治37年に創業し、漆の仕事を現在まで生業としてきました。秀衡塗を後世に残す為、伝統的な秀衡塗以外に、ガラスに漆絵を描いた「漆絵グラスHidehira」、普段使いに特化した漆器「FUDAN」など、ブランディングして商品を展開。自社で一貫した漆器作りが出来る事を武器に商品開発に力を入れ、現代の生活に取り入れられる漆器作りをしています。

SDGsへの取り組み

  • 【12】漆器は、壊れた場合も、修理が可能なので、長年にわたり使用可能です。
  • 【15】漆器は木と漆で出来ている為、自然に帰る素材です。

企業プロフィール

企業名有限会社丸三漆器
所在地029-0523
岩手県一関市大東町摺沢字但馬崎10
創業年1904年創業
代表者代表取締役 青栁真
事業内容
  • 漆器製造
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