企業のこれまでとこれから
御社の創業から現在に至るまでの歴史について、転換点となった出来事を含めて教えて下さい。
弊社は1971年に創業し、いくら・すじこ・かずのこなどの魚卵加工製品を製造販売してきました。時代と共に変化する品質・価格の安定した原料の調達が常に課題ですが、これらを乗り越えながら現在に至ります。
1989年の冷戦集結の影響から貿易の自由化が進み、魚卵も独自ルートでの買い付けの必要性に迫られました。奔走の結果、1990年にデンマークからの調達ルートを開拓し、世界で初めて冷凍トラウト卵から醤油すじこを作ることに成功します。その後、この原料調達先の会社は2005年に弊社グループの一員となりました。このグループ会社化によって、魚卵原料確保の内製化を実現し、さらにサーモン養殖のノウハウも手に入れることに成功。これは原料調達においても、そして魚卵だけでなく生食用サーモンを手掛けていくことになるという意味でも、弊社にとって大きな転換点です。
そしてノウハウを蓄積させてきた結果、青森県がサーモン養殖に適した環境であることを確信し、2017年に日本サーモンファーム株式会社を設立し、日本で初めて生食用サーモンの大規模養殖をスタートさせました。設立後、サーモンの育成期間を経て、2019年より生食用サーモンの水揚げ・出荷を行っております。
御社の現在の事業の強み・特徴やこれからの展望について教えて下さい。
生食用サーモンの需要は国内外を問わず旺盛で、わたしたちは今後も伸びしろのある水産業であると捉えております。そして弊社ではサーモントラウト(ニジマス)の大規模養殖を行っております。サーモントラウトは、鮮やかな身の色と日本人が好む脂の乗り方が特徴です。一方海外では、サーモンを寿司にして食べる文化が東南アジアを中心に拡大、今後も需要が高まっていく見込みです。
しかしながら、旺盛な需要に応えるための供給については世界トップの生産量を誇るノルウェーやチリでは養殖適地が開発しつくされ、これ以上養殖量を増やせなくなっているのが現状です。近年では世界的な温暖化から日本近海でも海水温が上がり、夏にはサケ類が好む温度でなくなってきていることから、北海道でもサケ類が獲れなくなってきました。そこで弊社の青森県の海面養殖場では、海水温のモニタリングを徹底しサーモン養殖に適さない温度に上がる前に収獲・水揚げができるようスケジュールを管理しております。この結果、2024年の今シーズン、弊社では2,692トンの水揚げを記録しました。2025年の来シーズンには3,500トンの水揚げを見込んでおります。このように需要の高いサーモンの大規模養殖をさらに推進する人材・ノウハウこそが弊社の強みです。今後も日本の高品質なサーモンを青森で養殖することで、青森の雇用ひいては地域経済の活性化に貢献してまいります。
また魚卵加工事業において青森県は日本一すじこを食べる地域といわれており、すじこに対する生活者の偏愛度・熱量は高いです。しかし、まだまだローカルフードの域を出ているとは言えない食材です。そのため弊社では北日本・青森のソウルフードであるすじこを全国に広めるべく、現在も積極的に発信活動を行っております。
企業から見た地域の魅力について
御社から見た青森地域の魅力について教えて下さい。
まず、青森県は「水」が非常に魅力です。弊社は青森県南西部、日本海側の深浦町でサーモンを育てておりますが、淡水・中間養殖場で採水している川は、世界遺産・白神山地の水です。この白神山地が生んだ美しい淡水で育ったのち、青森県北西部は津軽半島の先、流れの早い時期には時速11kmを観測する津軽海峡に面した今別町の海面養殖場で水揚げまで成長します。流れに逆らって泳いできたサーモンは身が締まり美味しく育つため、弊社がこうして現在の事業を進めることができているのは、青森の地理環境のおかげと言っても過言ではありません。
また、この美しくも厳しい自然環境に暮らす青森県の方々も魅力のひとつです。長い冬を耐え抜く我慢強さや、その先の春を見越せる想像力・行動力があります。このような青森県の自然環境と弊社メンバーとともに今後も地域貢献に取り組んでまいります。
企業が求める人材像について
御社に応募していただきたい人材像について、具体的に教えて下さい。
新しく何かを始めることに対して、楽しむことができる方に来ていただきたいです。弊社は現在、日本に導入されてまだ10年と経っていない、生食用サーモン大規模養殖に挑戦中です。「やったことがない」「知りません」ではなく、未知を楽しんで次の未来を創っていける方が活躍できる環境だと思います。
一例をあげると、弊社が導入する設備はサーモン養殖先進国による海外製品が多いです。マニュアルも部品も何もかもが英語で記載されているものを、手探りの状態から使いこなしていきます。明治時代の日本人は、海外から日本に初めて機関車を持ち込んで、技術ノウハウを吸収し事業を国産化してきました。弊社の取り組みは、その当時より事業規模ははるかに小さいですが、150年前に先人が実践してきた挑戦と同じ気概で、日々成長し続けている企業です。
また、弊社ではミャンマー・ベトナムには自社・提携の加工工場を、シンガポール・マレーシア・台湾・タイには卸売事業のグループ会社を構えており、海外出張・駐在のチャンスもあります。青森から世界へ。前向きに取り組んだ結果としての失敗は笑い飛ばし、未知のことを楽しみながら、弊社で一緒に「未開の海」を開拓していきましょう。
ひとを知る
代表取締役社長 兼 CEO
岡村恒一
青森県青森市出身。明治大学政治経済学部卒業後、1987年4月に父親の創業した株式会社オカムラ食品工業に入社。1989年に取締役、1999年に代表取締役に就任し、現在に至る。日本サーモンファーム株式会社取締役会長、酸ヶ湯温泉株式会社社外取締役も兼任。
SDGsへの取り組み
- 【8】外国人従業員や高齢者従業員を積極的に雇用しております。
- 【13】国産サーモン養殖を通してフード・マイレージの削減に貢献し、ブルーカーボン対策としてワカメの試験養殖も行っております。
- 【14】2019年より国内初のASC認証(サケ類)を取得。厳しい基準を準拠し、海洋環境に対するモニタリングと改善を継続しております。
企業プロフィール
企業名 | 株式会社オカムラ食品工業 |
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所在地 | 〒030-0912 青森県青森市八重田1-6-11 |
創業年 | 1971年創業 |
代表者 | 代表取締役社長 兼 CEO 岡村恒一 |
事業内容 |
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